■焚火の作法
庭の井戸の隣に調理棟を建てた。真ん中の地面に囲炉裏のような炉をこしらえて棟の中央から自在鉤を下げて鍋ややかんが吊り下げられるようになっている。
火を焚くのに一番大切なのは煙が出ないようにすること。従って紙や木の葉は燃やさないこと、炉床が乾燥していること、薪が乾燥していること、薪は少しづつくべることの4点が重要項目である。
紙や木の葉は煙が出る、特にカラー印刷の広告のチラシなどは最悪、炉床の乾燥と薪の乾燥は火の温度を下げないため、火の温度が下がると不完全燃焼する、250℃は必要。
薪を一度にたくさんくべると酸素不足からやはり不完全燃焼して煙が出る。今は煙は一切嫌われる。
仏壇の線香も煙のすくないものが好まれる、子供たちは蚊取り線香も嫌い、タバコなどはもってのほか、煙がないのだから「いぶし銀」などは死語になると思う。
ごみの焼却については平成11年に発生した所沢ダイオキシン騒動で850℃以下の焼却温度の焼却炉が使えなくなった。
それまで使われていた学校の焼却炉とか各家庭が一斗缶で燃やしていた焼却ができなくなり、規則で定める焼却施設だけが処理するようになった。
ダイオキシンは自動車の排気ガスからも出るがこれは問題にならない、多勢に無勢ということでしょう。(自動車といえばタイヤとアスファルトの摩耗粉塵も大問題)。
養老孟司先生が『ほんとうの環境問題』著書の中で「焚き火しちゃいけないけど焼き芋ならいいというのはわけがわからないでしょう」といっているので鎌倉市消防本部に問い合わせたところ、これらは火災予防条例の範ちゅうではなく神奈川県生活環境の保全等に関する条例によるもので、落ち葉焚きはゴミの焼却であるが焼き芋はバーベキューに該当するという見解であったのは面白い。
薪ストーブも各地で問題になっている。煙突から出る煙の匂いが洗濯物に移るというのが最大の苦情である。
私は落ち葉焚きの匂いが芳しくて好きだけれども、沈丁花や金木犀の匂いが便所の臭い(便所の芳香剤だかららしい)だと嫌う人がいるから、香りは人それぞれだ。
とにかく煙は厄介者扱いで嫌われる、ハエや蚊と同じ、マイナーはたたかれるのが普通なのはどこかおかしい。
黒田 康敬
2026年03月10日