■小枝マッチ
松葉マッチというのがあったと聞いていたので、小枝マッチもあってよかろうと考えて、
松葉マッチと小枝マッチを作って雑貨の見本市・ギフトショーに出展したのが1986年秋のことであった。
松葉マッチは貧相であったのに対し、小枝マッチは大層評判がよく、箱根の彫刻の森美術館のアートショップから引き合いもきた。
ところがアクリルのケースを作るのがネックでそのままお蔵入りとなっておりました。
2000年になって株式会社竹尾という紙屋さんの創立100年記念事業の一環として、リ・デザイン展が計画された。
リ・デザイン展のテーマは、身のまわりにある身近な物品を新しくデザインし直すということで各分野のデザイナーに課題が出された。
マッチは照明デザイナーの面出薫氏が担当することとなった。
事業企画をしている日本デザインセンターは原研究所ではないが他の部署で取り引きがあることと、
以前に小枝マッチを作った経験があることから、少量であれば工場が暇な時に引受けることにした。
ところが面出さんが自ら山の中で採取したという小枝がダンボール一杯送られてきて、見れば腐りかけて脆い枝もあり、
まず剪定鋏を買ってきて、腐れをよりわけ、大中小の大きさに切り揃えて頭付したのであります。
これもよほど評判が良かったらしく追加生産の依頼がありましたが何分手作業でありますのでご遠慮いたしました。
黒田 康敬
2007年01月29日