■インプル軸
インプルとは、impregnatedの日本略語で、浸み込ませたという意味です。マッチ軸木に燐酸アンモニア等の薬品溶液を浸透させて、軸木の燃えかすが灰になるのではなく、炭化して落ちないようにする処理をした軸木です。
外国では床に絨毯が敷きつめられていて、その上を歩きながら、部屋のすみずみのローソクに点火したり、手に持ったタバコに火を着けます。燃えかすが落ちると絨毯に焼け焦げができます。従って昔からインプル軸が使われていました。
今は日本でもほとんどのマッチはインプル軸です。それは、一つには上記の安全性であり、またもう一つはマッチ全体の生産量が減少したためインプルした軸とそうでない軸を分けて管理する生産上のメリットがなくなったからです。
黒田 康敬
2001年01月26日